Close up of a circuit board

生産現場に5Gのイノベーションを導入

Tobias Aderumさんと彼の研究開発チームは、スウェーデンのヴァルガルダにあるMagnaのテストトラックに設置されたプライベート5Gテスト環境で、車両コネクティビティにおける新しい最先端運転支援システム(ADAS)ソリューションを試験しています。

2023年12月、MagnaはNorthStar - Telia SwedenとEricssonの産業企業向け5Gイノベーション・プログラムに参加しました。NorthStarの一員として、Magnaは、高速データ接続を可能にするモバイルネットワークの5代目通信技術の5G技術にアクセスし、より高性能で競争力のあるADAS製品を開発することができます。

自動車業界15年のベテランであるTobias Aderumさんは、2023年6月、ヴィオニア・アクティブ・セーフティ(Veoneer Active Safety)買収時にMagnaに入社しました。このQ&Aで、彼は、自分のMagnaでの役割、車両コネクティビティの未来、そして仕事のインスピレーション源について語っています。

あなたの経歴についてお聞かせください。

私はヴァルガルダのMagnaテストトラックからほど近い、家族6代で守ってきた農場に住んでいます。近くの祖父の農場で生まれ、田舎で育ちました。農作物や動物に囲まれて育ったことで、自然を大切にし、環境に配慮することを学びました。テキスタイル・エンジニアである妻のナタリー、そして2人の子供、セバスチャン(7歳)とリンネア(3歳)と一緒にここに新しい家を建てています。冬はスキー、夏は水上スキーをして楽しみます。ウプサラ大学の工学物理学修士課程に入学し、私たちの生活をより良くするものの作り方を理解するようになりました。そのすべてが私の仕事にインスピレーションを与えてくれています。

ご自身をどう表現しますか?

私にとっての大きな原動力は、常に新たなイノベーションを通じていかに世界を改善できるかということです。 工学物理学者として、イノベーションを研究から生産に転換させる仕事をしています。私は「新しい技術や自動化技術開発は、人間や自動車、社会にとってどのように役立つのか?」というテーマを軸に生きています。

私の仕事は、新しいセンサー技術、新しいADAS機能と、それを利用して既存のMagna製品をベースにしたシステム機能に取り組んでいるのがとても魅力的に感じます。例えば、安全性の向上からADASと車載インフォテインメント・システムとのインテグレーションまで、さまざまな製品をつなげて新しいコンセプトを打ち出すことができれば最高です。

「私は工学物理学者として、研究から市場にイノベーション関係の仕事をしています。私の関心事は、新しい技術や自動化技術開発が、人間や自動車、社会にどのように役立つのか?ということです。」

Tobias Aderum, Director, Research & Development

次世代ADAS製品の開発において、なぜ5Gが重要なのか?

今日、ほとんどの新車はコネクティッド化されていますが、主にメーカーとのコネクティッド化が進んでいます。5Gの登場により、より多くの帯域幅が利用可能になり、ユーザー向けのより優れたインフォテインメント・ソリューションを可能にしています。しかし、自動車同士が、ブランド内だけでなく、ブランドを超えて、低遅延で通信できるようになれば、ADASはV2X(ビークル・ツー・エブリシング)と呼ばれるもの(すなわち、自動車が他の自動車、周囲のインフラ、他の道路利用者などと通信すること)でメリットを享受できるでしょう。そこにソフトウェア定義の自動車開発が加われば、市場の革新スピードはさらに加速することが予想されます。技術の標準化と普及により、この10年の終わりまでに、業界は5G / V2Xに移行するでしょう。

5Gの高速データ接続により、「集合知覚」を持つADASシステムでより多くのデータを送信し、より多くのことができるようになります。 そうすると、道路利用者、インフラ、車両をデジタル・ツインで融合して「見ている」ものをより多く共有することができます。2024年初頭のCESで、私たちはこのコンセプトをデモンストレーションしました。

将来的には、特定のオンデマンドADAS機能のサブスクリプション・サービスの可能性もあります。例えば、あるユーザーは、集合知覚情報を使ってトレーラーを駐車するため、毎回5ドルでADASを利用するでしょう。スマートフォンのようなアプリストアができるかもしれません。 そのような世界では、ユーザーは必要に応じて技術に対価を支払います。このようなイノベーションは、5GとV2X技術によって可能になります。しかし、自動車はスマートフォンではないので、安全性、セキュリティ、プライバシーの面で、まず取り組まなければならない課題があります。

最大の課題は何ですか?

私たちが取り組みたい課題のひとつは、ドライバーを理解すること、そして人々がこの技術をどのように使うかを理解することです。ユーザーがその技術を気に入らなければ、それを使わないでしょう。技術を直感的なものにし、エンドユーザーと協力することが私たちの仕事です。

それがテストトラックの大きなメリットです。技術を導入する前に実験することができます。私たちには研究室があり、実際のシナリオでどのように機能するかをテストすることができます。複雑な交通状況の中で、ダミーやその他の障害物を用いて複数の車両をテストし、その結果を記録、分析します。

Magnaで仕事をしていて良かったことは何ですか?

Magnaは車両の多くの部品を取り扱っており、それが技術イノベーションを容易にしています。私たちは、Magnaの総合力を活用し、パワートレイン、エクステリア、ライティング、メカトロニクス、シーティングといった能力からリソースを引き出し、ADAS 5Gイノベーションと組み合わせることができます。私たちの野望は、MagnaをADAS技術のリーダーにすることです。

将来のネットワークとサイバー・フィジカル・ワールドの接続という点では、どのような展望があるのでしょうか?

6代目の携帯電話ネットワークの名称である6Gは、すでに研究が進んでいます。2030年代には利用可能になると予想しています。そして、車車間(V2V)や車物間(V2X)接続の可能性はさらに広がるでしょう。その新しいテクノロジーを探求し、さらに新しいエキサイティングなコンセプトを打ち出すことを楽しみにしています。

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